一般社団法人 美夜古青年会議所

理事長所信

 



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第49代理事長
工 藤 政 宏

誇り
~躬行・対話・共汗による誇り高き社会の創造~


  • はじめに
     2011年3月11日、午後2時46分。東北地方を中心に、マグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震が発生しました。
     当時、私たち家族は茨城県に在住し、私は県議会議員秘書として研鑽を積んでいました。
     地震発生時、私は県北部に、妻と2歳の娘は東京都内にいました。国道6号線を走行していた私は、あの時、後方から巨大な岩にドーンッと突き動かされたようなとてつもない衝撃を受け、その後、凄まじい揺れに遭いました。震度6強の地震でした。道路は液体のように波打ち、家屋や塀は崩れ、人々は堰を切ったように私の車の周りに飛び出してきました。終わりの見えない大渋滞。深夜、ようやく辿り着いた水戸の街の空を見上げると、そこには満天の星空が広がっていました。「こんなに沢山の星、見たことないなぁ」と呟いたと同時に、この街があらゆる光を失ってしまったことに気づき、愕然としたことを今でも覚えています。
     震災直後から、妻と娘を横浜市の妻の実家にお願いし、私は被災地である日立市の建築現場を手伝いながら、生きるとは何か、自分の使命とは何かを自問自答する日々を過ごしました。そして、一つの決断をしました。愛するふるさと、行橋に帰郷しようと。
    2014年6月、私は、当時の理事長に誘われて美夜古JCに入会しました。地域社会発展のために尽力しているJCにはとてもシンパシーを感じていましたので、入会を断る理由などありませんでした。ただ、既に様々な地域活動に参画していた私にとって、JCでなければならないという確信が持てないでいたのも事実でした。 しかし、こうした考えを一変させる出来事が起こりました。2016年4月に発生した熊本地震です。
    発災直後、私たち美夜古JCは、メンバー間で積極的に意見を交わし、あらゆる事態を想定した上で、物資の提供、炊き出し、募金活動などの被災地支援を実施しました。さらに、昨年11月には熊本復興支援事業「絆の架け橋プロジェクト」を開催。美夜古の地に住む10代を中心とする若者たちと共に現地に赴き、農業ボランティアを中心とする復興支援を行いました。
    誰かのために率先して動き(躬行)、想いを交わすことでチームの使命を共有し(対話)、目的を達成するために共に汗を流す(共汗)という経験を通じて、当事者意識を持って献身的に働く仲間の存在を再認識しました。また、蓄積したノウハウや全国組織であるスケールメリットを最大限に活かし、災害ボランティアセンターの立ち上げや車両の提供などの支援を継続的に展開する日本JCの強固な組織力を知ったのです。
    青年としての英知と勇気と情熱をもって躍動する仲間たち、JCの持つ圧倒的な底力に私は感動し、誇りを覚えました。そして、主体的にJC運動に携わることで、周囲からも誇らしく想われるような人になりたい、そう想うようになったのです。
    20歳~40歳までの志高き青年経済人によって、「修練」・「奉仕」・「友情」という三信条のもと、「明るい豊かな社会」の実現に寄与すべく運動する団体、それがJCです。
    私たち美夜古JCは、素晴らしい仲間と全国組織としての強みを最大限に活かし、メンバー個々が主体性をもって「躬行」・「対話」・「共汗」することで社会の発展に寄与すると共に、自己成長・自己実現を遂げ、さらに自己が得たものを社会に還元するという好循環を創り出すことで、誇り高き社会を創造します。

    社会貢献と自己成長を両得する誇り高き組織づくり
       私たち美夜古JCが運動する第一の目的は、地域社会を持続・発展させ、「明るい豊かな社会」の実現に寄与することにあります。まずは、メンバー一人ひとりがこうした運動目的を再認識し、力を結集して例会・事業を構築し、発信することで、明るい豊かな社会の実現にさらに貢献出来る団体へと成長します。
    また、第一の目的と同等に大切なことは、メンバー個々が自身の成長を実感し、社会に貢献しているという自負を持つことです。そのために、私たちは感謝と敬愛の念をもって例会や事業に参画し、個々が自己成長・自己実現を遂げ、職場や家庭でも笑顔が溢れる充実した日々を過ごすことができるよう、支え合い、学び合い、切磋琢磨する場を創ります。
    そして、これらの目的を達成し続けるために、会の運営をより円滑にし、強固で機動力のある組織を確立します。
     美夜古JCは創立からこれまで、一貫して、地域に根ざす奉仕団体として運動を発信、展開して来ました。しかし、地域の方々から事業そのものは認知されても、美夜古JCが企画・実施しているという事実や、その他の地域貢献活動を伝えきれていない現状があります。こうした事実を重く受け止め、一人でも多くの方々に私たちの存在を知っていただき、活動に賛同・参画していただくために、あらゆる手法を通じてPRを展開します。
    昨今の自然災害を受け、2013年、公益社団法人 日本青年会議所 九州地区 福岡ブロック協議会は、社会福祉法人 福岡県社会福祉協議会との災害時相互協力協定を、また、2016年12月9日には、私たち美夜古JCも、行橋市・苅田町・みやこ町の1市2町の社会福祉協議会と協定を締結しました。私たちは、今後、発生しうる大規模災害を想定し、関係団体や地域の方々とさらに顔の見える関係を築くことで、地域の安全・安心を守るための体制づくりを推進します。
     私たち美夜古JCは、社会貢献と自己成長を両得する機会をつくり、運動への賛同・参画者を増やすことで、誇り高き強固な組織を創造します。

      他者の笑顔を創造する誇り高き志民の育成
     現代日本は、総じて物質的に恵まれており、便利で快適な生活環境になったと言えます。また、個人の嗜好やライフスタイルが最優先され、自分にとって必要な時に、必要な人と、必要なだけつながることが当然となったことで、それ以外の周囲との接点が減り、無関心に拍車がかかっているように思います。
    また、内閣府2014年版子ども・若者白書では、「将来に明るい希望を持っている」と回答した日本人の割合は諸外国と比べ著しく低く、自分について誇りを持っている若者の割合も平均を下回っており、さらに、国連2016年報告では、日本はGDP世界第3位にも係わらず、幸福度は156ヵ国中53位でした。
     こうしたことからも分かるように、現代日本では、自己肯定感や幸福実感力が低く、利他の心が希薄化し、将来を前向きに捉えられない人々が増えていると言えます。
     まずは、これまで以上に、自分への誇り、自己肯定感や幸福実感力を育むと共に、利他の精神や公共心を内包する「志」を育むために、歴史や実社会で活躍するロールモデルとなる方々から、私たちのめざすべきあり方を学ぶ機会を創ります。
     そして、誰かの笑顔を自らの喜びとする人間力溢れる志民を育成するために、社会に起こる様々な事象を自分ごととして捉えると共に、当たり前の日常を見つめ直し、それに感謝し、次へのアクションにつなげる機会を創ります。
    JCは青年経済人による社会貢献団体であり、自己成長の場でもあります。20歳~40歳という限られた時間の中で、「修練」・「奉仕」・「友情」を通じて成長を遂げ、将来に亘って社会貢献を続けるためには、継続的な会員拡大が必要不可欠です。
     まずは、地域の青年経済人が、私たち美夜古JCに強い関心を抱き、活動に参画したくなるような機会を創ります。
     そして、地域の将来を切り拓き、日本をリードするような同志の獲得、育成を行うために、美夜古JCの活動は勿論、福岡ブロック協議会、九州地区協議会、そして日本、世界へとつながるJCのスケールメリットやバイタリティ溢れる人財との出会いの機会を創ります。
     私たちは、JCだからこそ出来る様々な学びや出会いの機会を創ることで、他者の笑顔を自らの喜びとする誇り高き志民を育成します。

    多様性を強みにしたシビックプライドの醸成
     私たちの活動拠点である行橋市・苅田町・みやこ町エリアは、豊かな自然に囲まれ、陸・海・空の交通インフラが整い、農林水産・商工業がバランス良く発達した、魅力と可能性溢れる住み良い地域です。しかし、こうした地域の“力”に気づかず、美夜古の地を否定的に語る人々も少なからずいます。また、人口減少に拍車がかかり、地域の活力が失われて行くことを危惧する声も強く、地域の“力”を実感することができ、交流人口や定住人口も増加するような、成熟した持続可能な地域社会の創造が重要であると考えます。 過去3回に亘って開催してきた春の祭典、桜スマイルフェスタ。別れと出会い、終わりと始まりが交差するこの季節に、精いっぱい咲き誇り、潔く散って行く今川河畔の桜をモチーフにした本事業は、幻想的に輝く竹あかり(竹灯籠)と相まって、日本人であること、“美夜古人”であることに喜びと誇りを感じていただける魂の事業です。2016年度は、地域の方々、各種団体、企業や行政をはじめとする多くの皆様のご協力のもと、延べ23,000人もの人々が足を運んでくださいました。
    本年度は、企画・準備段階からこれまで以上に地域の多様な方々に参画していただくことで、住民同士のつながりを密にすると共に、さらに美夜古らしさを打ち出すことで、シビックプライド(住人個々のまちに対する愛着や誇り)を育み、地域の方々が真の主役となる事業にします。
     また、どうすればこの地域が、持続的に「稼ぐ地域」、「人びとを魅了するまち」になるのか、その具体的な解決策を考え、導き出す機会を創ります。
    私たち美夜古JCは、地域の多様な可能性を最大限に生かしたまちづくりを展開し、この地域にさらなるシビックプライドを醸成します。

    自国に対する誇りを高め、多様な文化を享受し、共生する価値観の創造
     世界から“クール・ジャパン”と言われる日本独自の伝統文化やポップカルチャーが注目され、ビジット・ジャパン事業を始めとする各種取り組みが、インバウンド(訪日外国人旅行)の拡大を実現しています。また、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、世界とのつながりが益々強くなっていると感じます。
    日本政府観光局の統計によると、2010年の訪日外客数が8,611,175人であるのに対し、2015年は19,737,409人と劇的に増加していることからも分かるように、多様な文化を背景にした人々との交流は、確実に広がり、活発化しているのです。
    美夜古の地においても、居住する外国籍の方々は年々増加の一途をたどっています。しかし、その反面、地域の方々との接点が少なく、相互理解という点においては、まだまだ進んでいないと言えます。
    また、国際社会においては、歴史認識の相違や領土・領海・領空問題による近隣諸国との不和は未だ解決に至ってはおらず、引き続き、国家間での外交に加え、地道な民間外交が必要です。私たちは、こうした課題を克服するために、これまで以上に多文化交流の機会を創出しなければなりません。  私たち美夜古JCは、41年もの長きに亘り、大韓民国 金海JCと交流を続けてきました。特に相互ホームステイ事業は、金海と美夜古の子どもたちの交流を通じて両国間の絆を築いてきた大変意義のある事業であり、未来へつなぐ架け橋となる重要な役割を担ってきました。
    こうした取り組みを踏まえた上で、今年度は、世界中の多様な文化を背景とした人々が互いを尊重し合い、友情を育むと共に、次代を担う子どもたちに世界の広さ、奥深さを実感してもらうために、大韓民国 金海JCは勿論、地域に暮らす外国籍の方々とも交流出来る新たな機会を創ります。
     また、世界中の多様な文化を背景にした人々と実りある交流をするためには、まず、自国への理解を深め、胸を張って語ることが出来なければなりません。そこで、日本国民としてのさらなる自負と誇りを醸成するために、日本の歴史・伝統・文化、日本人の持つ精神性といった「日本(人)らしさ」やクール・ジャパンに代表されるような、世界から評価される「日本(人)の強み」を学ぶ機会を創ります。
     私たち美夜古JCは、自国に対する誇りを高め、多様な文化を享受出来る、強くてしなやかな共生の価値観を創造します。

    感謝の想いと誇りを胸に~節目となる50周年へ向けて~
     来年2018年度、一般社団法人 美夜古青年会議所は創立50周年を迎えます。長きに亘る美夜古JCの歩みは、青年としての英知と勇気と情熱をもって、地域に根を張り、運動を積み重ねてきた先輩諸氏の軌跡であり、それは、地域の方々のご理解とご協力、各地で運動する青年会議所との友情があったればこそ築くことが出来た歴史です。
    私たちは、関係する全ての方々に心から敬意を表し、感謝すると共に、半世紀という節目を1つの大きな到達点とするだけではなく、更なる高みへとつなぎ紡いで行くための「出発点」にしなければなりません。
    こうしたことを踏まえ、本年度は50周年特別準備室を設けました。記念事業や式典を成功へと導き、地域と共にさらに発展していくために、本年度から準備を開始し、あらゆる方面に気を配り、着実かつ適切に進めることで、来年度へ最良・最適な状態で引継ぎを行います。
    また、美夜古JCのメンバーであることへの誇りを高め、躍進へとつなげるために、創設当時から現在に至るまでの先人の想いや取り組みを丁寧に調べ、深く学ぶと共に、私たちが担うべき役割をメンバー全員で今一度考える機会を創ります。
     私たち美夜古JCは、感謝の想いと誇りを胸に、さらなる飛躍を誓います。

    結びに
     私たちは、家族、同僚、仲間、そして地域の方々、さらには過去を生きた先人、未来を生きる子どもたちに至る全ての人々とのつながりの中に存在します。それは、あなたの、私の一挙手一投足が、全ての人々へ影響するということであり、自分のあり方一つで、自分の人生を、社会を変えることが出来るということを意味するのです。
    「JCと思うな、人生と思え!」
     JCは、メンバー一人ひとりの人生の一部であり、地域の一部であることを、今一度、自覚しよう。そして、私たち一人ひとりが、躬行、対話、共汗の心をもって、今、この一瞬を精いっぱい生き、感謝と笑顔を大切にすること、その積み重ねが、自己成長、そして明るい豊かな社会の実現につながると確信します。
     全力で駆け抜けよう!誇り高き社会の創造をめざして!!